中国の社会問題を描いた悲しく救いのない映画『最愛の子』

2016年初頭に劇場公開された「最愛の子」。

実話を元にしたヒューマンミステリー。現在の中国で実際に起こってる社会問題を描いた作品です。

あらすじ

中国の街中で突然姿を消した3歳の息子。

両親は警察の協力の元、様々な手段を使い必死に息子を探しますが、消息が全くつかめないまま、3年の月日が流れます。

かすかな希望を胸に息子を探し続けた両親は、中国のある村で暮らす息子を見つけ出します。しかし、6歳に成長していた息子は両親のことを覚えておらず、育ての親との別れを嘆き悲しむばかり。

我が子を取り戻した喜びもつかの間、両親は我が子の愛を取り戻そうと辛い日々が始まります。

中国の現状

中国では毎年約20万人の子供が誘拐されていると言われています。

誘拐された子供は児童売買を目的とされ、2017年時点での「市場価格」は一人当たり約140万円~170万円。

その原因は一人っ子政策にあるとされており、子供の多くは働き手がおらず、老後に不安を抱える農村部へ売られています。

両親の顔を忘れやすいという理由から、2~3歳の子供が誘拐されるケースが多く、将来働き手となる、男児が特に需要があり、高値で売買されています。

また、嫁不足に悩む農村部もあり、中国では子供の誘拐だけではなく、都心部から突如として行方不明になる若い女性も後を絶ちません。

私自身2013年から2017年まで中国で大学生活を送っていましたが、大学の先生や先輩、現地で仲良くして頂いた中国人の友人たちに、「出かける時は周りに注意して、慣れない場所には絶対に一人で行くな」と強く言われていました。

実際に、誘拐には昼も夜も関係なく、白昼堂々とそれも街中で児童や若い女性が連れ去れる事件が日々ニュースで取り上げられていました。

睡眠薬を飲ませて連れ去ったり、人目が少ないところで連れ去ったりなんてことはしません。

街中で、堂々と、力づくで、連れ去ります。

在学中にニュースで見た映像には、幼い子供を抱っこしながら、スーパーで買い物をする女性を殴り、子供を無理やり奪い去る事件もありました。

「最愛の子」はそんな中国の現状を描いた内容になっています。

重たく救いのない映画ではありますが、少しでも多くの方に知ってもらいたい現状がそこにはあります。

難しい問題を取り上げた映画のため、終始重苦しい雰囲気が続きますが、最後まで見飽きることなく見続けられる秀作です。

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